研究課題/領域番号 |
15K16913
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
基礎法学
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
米村 幸太郎 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (00585185)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 正義論 / 功績 / リベラリズム / フェアプレイ / 卓越主義 / 政治的リベラリズム / リベラル卓越主義 / 応報主義 / 刑罰 / 応報刑論 / 分配的正義 / 応報的正義 / 基礎法学 |
研究成果の概要 |
「あの人のやったことは賞賛に値する」のような「~に値する」の概念を、道徳哲学では「功績(desert)」と呼ぶ。本研究では、この「値する」の概念、すなわち功績概念の分析と、正義の理論にとってのその位置づけを検討することで、刑罰に関する応報主義の立場が正当化できるかを考えようとした。正義の理論において功績概念が役割を果たすことを否定する議論もあるが、本研究ではその立場に反対し、少なくとも匡正的正義の分野では功績を基底にした議論が成り立つ余地があり、それは刑罰を公正さの観点から正当化するフェアプレイ論の一種となると論じた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、以下の点で学術的特色と独創性を有すると考えられる。①功績概念の分析と理論的位置づけ:管見の限り少なくともロールズ以降の論争を押さえた研究は国内には存在しなかった。この点で本研究は功績についての国内初の本格的研究として特色を有する。②また、分析法理学の知見を参照した刑罰基礎論への寄与という点でも一定の学術的意義を有する。 また、功績基底的な応報主義がフェアプレイ論の一種として理解できるという本研究の立場は、応報主義が馬鹿げた立場ではなく、リベラルな立場にとっても真剣な 理論的検討に耐えうる立場として構築しうることを意味しており、その点で意義を持つ。
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