研究課題/領域番号 |
15K17163
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
会計学
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
小野 慎一郎 大分大学, 経済学部, 准教授 (20633762)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2015年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 資本コスト / 期待リターン / 割引率 / 現在価値 / 資産価格モデル / クリーンサープラス / 株主資本利益率(ROE) / 株主資本簿価/時価比率(B/P) / 組替財務諸表 / バリュー株効果 / 保守主義 / 株式益回り(E/P) / クリーン・サープラス |
研究成果の概要 |
本研究では実証分析により以下の事項を発見した。(1)売上高の変動性,営業レバレッジ,財務レバレッジ,株式益回りが大きいほど市場ベータ値も大きい。(2)翌期の純事業資産利益率,純金融費用率,財務レバレッジを別々に予測した後で,アドバンスト・デュポン・モデルを利用して翌期ROEの予測値を求めることにより,ROE予測の正確度が高まる。(3)将来リターン予測能力の観点から評価すると,クリーンサープラス関係を用いて導出された現在価値恒等式に基づく期待リターン推計方法(割引率の時間的変動を許容し,株主資本簿価やROEという会計情報を活用する方法)は,CAPMや3ファクターモデルよりも優れている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,期待リターン(資本コスト)や将来利益を正確に推計したい人々に有益である。たとえば企業経営者は,業績評価のハードルレートや投資プロジェクトの現在価値計算の割引率などを求める際に,本研究で提示した期待リターン推計方法を利用できる。株式投資者は,将来ROE予測の正確度を高めるために,事業と金融を区別する本研究のアプローチを活用できる。 また本研究は,企業価値評価モデルの分子(将来業績)よりもむしろ,分母(割引率)の予測・評価における会計情報の有用性に注目した点で学術的新規性が高い。さらに本研究は,会計基準設定主体が財務諸表項目の認識・測定や表示区分を検討する際の参考資料を提示している。
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