研究課題/領域番号 |
15K17182
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 明治学院大学 (2016-2018) 京都大学 (2015) |
研究代表者 |
安井 大輔 明治学院大学, 社会学部, 准教授 (90722348)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 食文化 / 和食 / ナショナリズム / エスニシティ / 文化遺産 / 概念分析 / 実践 / 日本 / ユネスコ / 無形文化遺産 / 伝統 / 倫理 / 食 / 文化 / 遺産 / エスニックフード / 社会学 / 概念 |
研究成果の概要 |
本研究は、日本の「伝統的な食文化」とされる和食を対象に、その食文化の保護・継承を推進する諸アクターの実態を明らかにすることを通じ、和食をめぐる運動が何を導くのかを検討し、食を文化遺産化する現代世界の集合的な意思を解き明かすものである。「和食」が保護されるべき「伝統文化」として定式化される抽象的概念の言説分析と、保護・継承のための活動が行われている具体的実践のフィールド調査をおこなった。定義がゆるやかなまま流通する和食と個々の料理として具現化される和食という「和食」をめぐる概念と実践の相互関係分析を通して、国際的な動向と国内の諸活動の連関によりいかなる和食像が形成されているのかを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、日本の伝統的な食文化としての和食がどのように定義されるべきか、和食の保護・継承がどのように実施されるべきなのか、という道徳的な問いに直接的に答えるものではない。しかし、和食概念が日本の家族制度と結びついており、現在の和食実践がそれを強化するとともに変容させていることを明らかにしている。読者はそこに文化遺産制度を介した親密圏と公共圏のあり方にひとつの見通しを得ることができ、そこに考えるべき道徳的な問題があることがわかるだろう。このようなあらかじめ規範的基準で現実を裁断するのではない仕方で、伝統文化をめぐる問題系についての議論基盤を提供する点で社会的意義があると考えられる。
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