研究成果の学術的意義や社会的意義 |
妊婦のNIPT受検経験においては, 家族や周囲の人, 社会といった「他者」が大きな影響をもっていることが明らかとなった。妊娠は妊婦の体内で経験されるごく個人的な出来事であると同時に, 社会との相互作用によって形作られるものでもある。本研究によって参加者を取り巻く社会的な状況, キーパーソンを把握できるとともに, 検査の情報源やNIPTの社会的側面について明らかにできる可能性が示唆された。また, 自然妊娠群と生殖補助医療を受けた群との間では共通するカテゴリが多い一方で, 一人ひとりの語りには個別性が見られたことから妊娠方法によらずクライエントのもつ背景の多様性に目を向けた対応が必要であろう。
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