研究課題/領域番号 |
15K17258
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
社会心理学
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研究機関 | 京都学園大学 |
研究代表者 |
服部 陽介 京都学園大学, 人文学部, 講師 (40733267)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 思考抑制 / 反すう / 抑うつ / 侵入思考 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は,抑うつ症状の悪化・慢性化を促す要因とされる反すうと思考抑制に注目し,両者の因果関係を整理することであった。縦断調査の結果,慢性的な思考抑制の傾向が強いほど,反すうの中でも,現状と達成できない水準との消極的比較である考え込みが強まるとともに,考え込みが慢性的な思考抑制傾向を強めるという関係が確認され,両者が互いを増強するループを形成している可能性が示された。さらに,思考抑制と反すうの因果関係は,思考抑制がもたらす影響に関するメタ認知的信念や,思考抑制時の認知的負荷,ストレス経験によって媒介・調整されていることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
反すうと思考抑制は,いずれも抑うつと密接に関連することが指摘されていたが,両者の因果的関係について調節的な検討を行った研究はほとんどみられなかった。本研究では,不明確なままであった反すうと思考抑制の因果的関係を整理し,その背景にある認知過程をモデル化することを試みた。ここで得られた結果は,反すうと思考抑制に関する基礎研究の発展に貢献するとともに,抑うつ症状の悪化・慢性化に対する予防的介入の一助となり,臨床領域への波及効果も見込まれる点で,意義深いものであるといえる。
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