本研究は,小学校教師と児童の「ほめ」に対する認識を明らかにすることを目的として行われた。「ほめ」が児童の勉強に対する動機づけを高める程度をたずねた質問紙調査では,教師は児童よりも「クラスメイトの前でほめる」などのほめ方が効果的であると認識していた。また「難しいことができたときにほめる」などについては,児童と教師の認識は一致していた。 教師が児童をほめる意図をたずねたインタビュー調査では,児童は「みんなに見本にしてほしいから,先生はみんなの前でほめる」と考え,教師はそれらに加えて「教師がほめることで友達のよいところに気付かせたい・自尊心を高めたい」といった意図を持っているなどの相違がみられた。
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