研究課題
若手研究(B)
本研究は認知行動療法に十分反応しないパニック障害患者に対して、アクセプタンス&コミットメントセラピーを元とした新たなグループ心理療法を開発し、その効果を検証するものである。効果的な心理療法の開発のために、まず認知行動療法抵抗性の患者特性を検証した。過去に認知行動療法に参加したが、主症状・併存精神症状が反応しにくい患者の特性を検証し、2回の学会発表と2本の論文を著した。またグループ療法を臨床試行し、前述の研究結果を踏まえながら心理療法の開発を進め、グループプログラムを完成させた。これらの症例は学会にてプログラムの内容と共に発表した。効果検証の論文については、症例をさらに重ねた後に投稿予定である。
パニック障害は多頻度疾患であり、その社会的、職業的、身体的機能障害をもたらす。パニック障害は既存の治療を施しても寛解に至る例は少なく、その社会的損失は多く、よってパニック障害の治療の開発は社会的に急務である。本研究によって難治性パニック障害に特化した心理療法が開発されたことは、治療可能性を広げるものであり、社会的意義は大きい。またパニック障害患者のうちグループ認知行動療法によって精神症状を改善させる予後予測因子が不安感受性という特性であることを解明した。学術的意義として、治療前に不安感受性を評価し、グループ認知行動療法の適応を検討し、治療のテーラーメイドに生かせる可能性がある。
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Journal of Psychiatric Research
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British Journal of Medicine & Medical Research
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