研究成果の概要 |
リーマンゼータ関数やディリクレL関数の微分から考えられる数論的関数の平均の誤差項について, ヴォロノイ公式, チャウラ・ヴァルム公式の類似を示し, 誤差項の二乗平均の評価を行った。また, リーマンゼータ関数の一階導関数の二乗について, ティッチマーシュの方法を発展させてホールによる近似関数等式の誤差項の改良に成功した。又, 二重ゼータ関数の評価を改良することで木内・南出による二乗平均の結果を改良した。他に, 無平方数に素因数の大きさに条件を付けた公式を示した。論文としては, まだまとまっていないが, ジョルダン関数等の数論的関数の平均の誤差項の一乗平均についても成果があり, それを講演した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リーマンゼータ関数の導関数の二乗の近似関数等式の誤差項の改良する問題は, 1999年にR.R.Hall によって述べられていた。Hall が述べた通りに解決することができ、リーマンゼータ関数の理論の発展に貢献できた。この問題に挑戦する過程で、ゼータ関数の微分から考えられる数論的関数の問題を考えた。その成果の一部は近似関数等式の研究に用いられたし, Hall の問題を考えることで新たな数論的関数の研究につながったと思う。また,この研究を通してインドの研究者と交流が持てたことは良かったと思う。
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