研究課題/領域番号 |
15K17701
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大久保 毅 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任講師 (00514051)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | テンソルネットワーク / フラストレーション / 磁性体 / 相転移 / スピン液体 / スピン軌道相互作用 / キタエフ模型 / カゴメ格子 / 量子スピン |
研究成果の概要 |
本研究では、二次元の量子フラストレート磁性体の基底状態を、波動関数を小さなテンソルの積で記述するテンソルネットワーク法を用いて解析した。S=1/2カゴメ格子ハイゼンベルグ量子スピン模型については、磁場中での基底状態を計算し、複数の磁化プラトーの存在を明らかにした他、1/3プラトーでは、六角形ループ上のスピンが共鳴状態を形成していることを示した。また、キタエフ相互作用が強く存在する物質、Na2IrO3について、その基底状態相図を明らかにした。さらに、強磁性と反強磁性の共存によりフラストレーションが存在する正方格子模型について、磁場中でスピンゆらぎが非常に大きくなることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により量子フラストレート磁性体の基底状態を計算する強力な手法として、テンソルネットワーク法を確立することができた。種々のフラストレート磁性体に対して得られた結果は、実験での観測をよく説明できており、計算物理の立場からこれらの物質の理解に寄与することができた。特に、キタエフ相互作用が強い物質については、本研究を通して、キタエフスピン液体状態のテンソルネットワークを用いた理解が進み、定量的にだけでなく、定性的にも大きな進展があった。この成果は、今後のキタエフ物質の物性理解にも活かせると期待している。
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