研究課題/領域番号 |
15K17765
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
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研究機関 | 気象庁気象研究所 |
研究代表者 |
浦川 昇吾 気象庁気象研究所, 海洋・地球化学研究部, 主任研究官 (00733916)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2015年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 海底熱源 / 熱塩循環 / 深層循環 / 物質循環 / 海洋大循環モデル / 子午面循環 |
研究成果の概要 |
海洋大循環モデルを用いた数値実験を通して、海洋底プレートの冷却に伴う海洋への熱供給(海底熱源)の有無が海洋深層循環及び物質循環に与える影響について定量的に評価した。太平洋において深層循環が17%強化され、これに伴って太平洋底層の溶存酸素濃度やフロン類の濃度の再現性が向上した。底層だけでなく東部熱帯太平洋の数百m深に存在する貧酸素水の表現も僅かに改善した。一方で、植物プランクトンによる有機物の生産量への影響は限定的であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
太平洋深層循環は毎秒1千万トンもの水の移動を伴う巨大な循環である。多量の水の移動は多くの物質の輸送を伴い、炭素循環などの海洋物質循環にも影響する。太平洋深層循環は海底熱源によって強化されることが先行研究からわかっているが、この循環の変化が物質循環に与える影響はこれまでほとんど研究されてこなかった。気候形成に強く関連する炭素循環に対しての影響は限定的だが、溶存酸素やフロン類などの複数の化学物質に対して大きな影響を持つことがわかった。本研究は海底熱源の重要性を様々な海洋物質循環の観点から明らかにし、海洋物質循環シミュレーションの高精度化に資する情報を創出しており、その学術的・社会的意義は高い。
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