研究成果の概要 |
本研究では,統合国際深海掘削計画(IODP)によって赤道太平洋で掘削された過去800万年間にわたる堆積物を使用し,前期中新世から中期中新世の放散虫化石群集に基づいて,海洋表層環境の復元を行った.その結果,前期中新世末(16.7Ma)以降,赤道太平洋におけるサーモクラインの東西勾配が発達したことが明らかになった.この時期にインドネシア海峡が部分的閉塞したことが原因である可能性がある.前期中新世末から中期中新世初期にかけてMCOと呼ばれる汎世界的な温暖化が起こったことが知られているが,東赤道太平洋ではサーモクラインの浅海化により顕著な温暖化は起こらなかった.
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