研究課題
若手研究(B)
本年度は,重元素多価イオン,特に原子番号が60番から83番までの極端紫外スペクトルのスペクトル構造を解析すると共に,次世代の半導体リソグラフィー露光用極端紫外光源として重要なSnによる13.5 nm光源およびGdによる6.x nm光源について放射特性を詳細に調べた.このため,以下のような研究を進めた.(1) 短パルス炭酸ガスレーザーシステムを構築し,パルス幅を3 nsから20 nsで可変とした.発振器は,リング型共振器であり,CdTe結晶に適切なバイアスを印加して,Qスイッチ動作させた.このことにより,パルス幅が15-20 nsのパルスが生成される.そのあと,Nd:YAGレーザー駆動Geプラズマミラーにより短パルス化した.このとき,CO2レーザーとNd:YAGレーザーの遅延時間を設けることにより,パルス幅を3-20 nsで可変にした.その後,14パスのマルチパス増幅することにより,最大150 mJ/pulseのパルスエネルギーを得た.(2) SnおよびGdのプラズマを生成し,炭酸ガスレーザーのパルス幅により,放射スペクトルや変換効率がどのようになるかを調べた.Snプラズマでは,CO2レーザーのパルス幅を変えてもスペクトル構造は変化しなかったが,Gdプラズマでは,CO2レーザーのパルス幅でスペクトル構造が変化し,スペクトル純度も変化した.較正されたエネルギーメータにより,エネルギー変換効率のパルス幅依存性も明らかにした.(3) 極端紫外スペクトル構造を規定するために,斜入射分光器の回折格子およびX線CCDカメラを放射光 (Photon Factory) で較正した.この結果を用いて,エネルギー変換効率を評価したところ,エネルギーメータで得られる結果とほぼ同等であることを確認した.これらの結果を,論文としてまとめているところである.
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 6件) 備考 (1件)
Journal of Physics B
巻: 49 号: 3 ページ: 035001-035001
10.1088/0953-4075/49/3/035001
巻: 48 号: 16 ページ: 165005-165005
10.1088/0953-4075/48/16/165005
Applied Physics Letters
巻: 107 号: 8 ページ: 081112-081112
10.1063/1.4929686
Applied Physics Letters
巻: 107 号: 12
10.1063/1.4931497
Journal of Applied Physics
巻: 118 号: 19 ページ: 193301-193301
10.1063/1.4935817
http://photonics.sixcore.jp