研究課題/領域番号 |
15K18309
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
矢嶋 美幸 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (70749085)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2015年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | タングステン / 重水素プラズマ / 水素同位体 / 照射損傷 / 中性子照射 / 昇温脱離ガス分析 / プラズマ・核融合 / 核融合 / プラズマ壁相互作用 / 拡散 / 重イオン照射 |
研究成果の概要 |
核融合炉環境下では中性子照射によりプラズマ対向壁材料中に欠陥が形成し、その欠陥が水素同位体を強く捕獲する可能性がある。そのような環境における水素同位体輸送を理解するため、本研究では、昇温脱離ガス分析装置付き小型ダイバータ模擬プラズマ曝露試験装置(CDPS)を用いて、中性子照射タングステン(プラズマ対向壁の有力候補材料)中の重水素保持量のプラズマ曝露時間変化と昇温脱離特性を調べた。その結果、中性子照射試料に保持されていた重水素の総量は、プラズマ曝露時間の平方根に比例することが分かった。この結果から、中性子照射試料中の重水素の総量は重水素の拡散深さによって決定されることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
核融合炉の実現において、中性子照射がタングステンの水素吸蔵特性に与える影響に関する系統的な実験研究は急務な課題の一つである。そのような背景の中、本研究により損傷材料中の水素同位体拡散モデルを実験的に明らかにしたことは非常に大きな成果である。また、中性子照射試料に対する重水素プラズマ曝露実験は国内初の試みであり、酸化膜の影響(試料の前処理として電解研磨を実施)やプラズマ曝露後大気開放の影響を排除することで、より核融合炉内環境に近い条件で実験を実施したという点では世界初の成果である。得られた知見は、将来の原型炉の設計および炉内トリチウム管理において、大きな貢献となると期待される。
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