研究課題/領域番号 |
15K18664
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
応用微生物学
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
松岡 聡 埼玉大学, 理工学研究科, 講師 (90509283)
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研究協力者 |
原 弘志
松本 幸次
関 貴洋
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 糖脂質 / シャペロン / ECFシグマ / アンチシグマ / 枯草菌 / 細胞形態 / 膜タンパク質 / UgtP / グリセロ糖脂質 |
研究成果の概要 |
枯草菌糖脂質欠損株は形態異常を示し、ECFシグマ(σM、σV、σX)が活性化する。異種細菌由来のMGlcDG合成酵素遺伝子導入によって欠損株の形態異常が相補され、ECFシグマの活性化が減少した。MGlcDG、DGlcDG合成酵素遺伝子の同時発現で、σX活性が野生型レベルに戻った。これらは、MGlcDGは枯草菌の形態維持やECF制御に必要なこと、またDGlcDGはσX制御への関与を示唆する。ECF活性化では通常膜タンパク質であるアンチシグマが分解されるが、糖脂質によるECFシグマの活性化では、アンチシグマの分解は起こらないことから、糖脂質がシャペロン様にアンチシグマに作用することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果から、枯草菌糖脂質が膜タンパク質アンチシグマを介したECF シグマの活性化機構において、シャペロンのように働いているなど、新たな知見が得られた。またMGlcDGが枯草菌の細胞形態維持に重要であるなど脂質分子種特異的な機能が明らかとなった。糖脂質および糖脂質を基質として合成されるリポテイコ酸(LTA)は、グラム陽性病原菌の病原性・宿主の抗原認識にも密接に関わっており、本研究から糖脂質の欠損でLTA構造が変化することが明らかとなった。糖脂質の欠損は様々な抗生物質やストレスに感受性になることから、UgtPがグラム陽性病原菌に対する薬剤開発のための新たな標的として有望であることが示された。
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