研究課題/領域番号 |
15K18878
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
薬理系薬学
|
研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
中谷 善彦 国際医療福祉大学, 薬学部, 助教 (40582169)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | グルココルチコイド / カリウムチャネル / Kir / C6グリオーマ / グリオーマ |
研究成果の概要 |
脳アストログリアにおいて、内向き整流性カリウムチャネル(Kirチャネル)の発現が知られている。これらは脳内微小環境におけるカリウムイオン緩衝能に寄与していることから、うつ病の発症に関連する可能性が示唆されている。本研究では、分化誘導したC6グリオーマに発現したKirチャネルに対してストレスホルモンであるコルチコステロンの影響を検討したところ、コルチコステロンの曝露によってKir4.1チャネルの発現ならびにKirチャネル電流の減少が認められた。このことから、うつ病の発症においてストレスホルモンによる脳アストログリアを介した脳内カリウムイオン緩衝能の変調が関与している可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ストレスホルモンによってアストログリアのKirチャネル発現抑制およびカリウムイオン流入抑制が引き起こされることを明らかにした。これにより、ストレスホルモンがKirチャネルを介した脳アストログリアの機能変調に関わっている可能性が示唆された。現在、うつ病の発症機序として「モノアミン仮説」に基づくニューロンにおける神経伝達物質の遊離・取り込みバランスの破綻が提唱されている。既存の抗うつ薬の作用点もこの仮説に基づくものが大半であるが、それらの奏功率は50-60%である。今回の成果は、新規抗うつ薬開発の新たな標的を提示すると共に、うつ病発症メカニズムの解明を進める上でも意義があったと考える。
|