研究課題/領域番号 |
15K19062
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
山田 正俊 帝京大学, 医学部, 講師 (50449120)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2017年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | Tight junctionと癌 / Tihgt junctionと癌 |
研究実績の概要 |
Zonula occludensファミリータンパク(ZO-1, ZO-2, ZO-3)はtight junctionを構成し、細胞接着を主たる機能とするタンパクである。その一方で、近年の研究から細胞増殖にも関与することが知られてきている。 当院にて収集した淡明型腎細胞癌症例において、ZOタンパクの発現動態と予後に関する解析をおこなった。 その結果、本来ZOタンパクは正常近位尿細管上皮膜に発現を示すが、この近位尿細管上皮由来とされる淡明型腎細胞癌においてはZO-1/ZO-2/ZO-3のいずれもが発現低下傾向を示した。また、膜タンパクであるはずのZO-3は、約10%の症例で腫瘍細胞核内発現を示した。ZO-2の発現低下を示す淡明型腎細胞癌はそうでない群に比べて進行度、核グレード、Fuhrman gradeのいずれもが有意に高かった。一方でZO-3では核内発現を示す群が有意に高い核グレードおよびFuhrman gradeを示した。 予後の解析においては、ZOタンパクの発現低下を示す淡明型腎細胞癌、およびZO-3の核内発現を示す淡明型腎細胞癌は生存率の低い傾向を示し、またZO-2の膜発現低下、かつZO-3の核内発現を示す淡明型腎細胞癌は、そうでない腫瘍に比べて優位に生存率の低下を認めた。 ZO-2の発現低下、およびZO-3の核内発現を示す淡明型腎細胞癌が予後に悪影響をもたらすことが示された。 これらZOタンパクの下流因子としてZONABおよびCyclin D1との相関も検討した。結果、ZONABとの有意な相関は示されなかったが、Cyclin D1が膜性発現を示す腫瘍では、ZO-2の膜発現も高い傾向を示し、これらのタンパクの関連性が示唆された。
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