近年外科手術では機能温存や低侵襲性が求められ,低侵襲手術である腹腔鏡手術の比率が多くなっている.開腹手術の教育に役立てることを目的とし,婦人科開腹手術画像の解析を,アイトラッキングという技術を活用して行う研究を開始した.動画に対する注視点の解析が困難であり,手術動画以外に婦人科診療に関連する画像へ対象を広げて研究を継続した.子宮頸部病変の観察に行うコルポスコピー検査の画像も対象とした.コルポスコピー検査は,施行者の技量によって診断は左右される.結果,明らかな有意差は認められないものの,熟練者においてはマイナーな所見も捉えられたのに対して,修練者では,「病変の境界」などの観察が不足していた.
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