がん代謝とエピゲノムコード是正による血管新生阻害薬の耐性克服

• 研究課題/領域番号: 15K19161
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 応用薬理学
• 研究機関: 千葉大学
• 研究代表者: 佐藤 洋美 千葉大学, 大学院薬学研究院, 助教 (30506887)
• 研究協力者: 樋坂 章博 (80420206)
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2017-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2016年度)
• 配分額: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円); 2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円); 2015年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
• キーワード: 細胞内代謝 / エピジェネティック調節 / 薬物耐性 / 腎細胞がん / ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬 / チロシンキナーゼ阻害薬 / 酸化的リン酸化 / エピジェネティクス / トリコスタチンA / スニチニブ / 薬物感受性 / 血管新生阻害薬 / HDAC阻害薬 / 代謝 / CE-TOFMS / メタボローム

研究成果の概要

がん細胞の薬剤耐性にはその特異的代謝の関与が示唆されている。本研究では、HDAC阻害剤であるトリコスタチンA（TSA）がエピジェネティック調節によって腎細胞癌（RCC）の偏った代謝を改善できるか、またその代謝シフトがRCCの第一選択薬であるスニチニブ（SU）の薬剤耐性に寄与するかどうか検討した。その結果、TSAはRCCの酸化的リン酸化を増加させ、アミノ酸や核酸の産生を抑制した。電子伝達系の複合体I阻害剤であるメトホルミンは、SUとTSAの増殖に対する併用効果を有意に減弱した。以上より、エピジェネティック調節薬はがん細胞の代謝調節により細胞死を誘導する可能性が示された。

研究成果

• [国際共同研究] The University of British Columbia(カナダ)
• [雑誌論文] Sodium butyrate enhances the growth inhibitory effect of sunitinib in human renal cell carcinoma cells. (2017)
  • 著者名/発表者名: Sato H, Uzu M, Kashiba T, Suzuki R, Fujiwara T, Okuzawa H, Ueno K.
  • 雑誌名: Oncology Letters 巻: 印刷中
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] S34次世代薬理研究者のビジョン：ベンチワークからベッドまで. (2016)
  • 著者名/発表者名: 佐藤洋美，倉内祐樹，大澤匡弘，村上友康，粂和彦，籠田智美，岩田紗季，丸山加菜，和久田浩一，篠塚和正，葛巻直子，成田道子，池上大悟，成田年，黒田正幸，武城英明，麻生雅是，齋藤康，横手幸太郎，友田明美．
  • 雑誌名: 薬学雑誌 巻: 136 ページ: 685-714
  • 査読あり
• [学会発表] トリコスタチンAはエピジェネティック調節により腎細胞がんの代謝を変化させる． (2017)
  • 著者名/発表者名: 佐藤洋美, 藤原拓也, 畠山浩人, 加柴達朗, 宇津美秋, 上野光一, 樋坂章博.
  • 学会等名: 第90回日本薬理学会年会
  • 発表場所: 長崎
  • 年月日: 2017-03-15
• [学会発表] トリコスタチンＡによる腎細胞がんのスニチニブ感受性増強と代謝調節の関与． (2016)
  • 著者名/発表者名: 佐藤洋美, 加柴達朗, 藤原拓也, 宇津美秋, 樋坂章博．
  • 学会等名: 第10回次世代を担う若手医療薬科学シンポジウム
  • 発表場所: 前橋
  • 年月日: 2016-11-05
• [学会発表] トリコスタチンAによる腎細胞がんの代謝調節がスニチニブ抵抗性を改善する可能性. (2016)
  • 著者名/発表者名: 佐藤洋美, 藤原拓也, 宇津美秋.
  • 学会等名: 第75回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2016-10-06
• [学会発表] Cotreatment of trichostain A enhances cytotoxic effects of sunitinib in human renal cell carcinoma cells. (2016)
  • 著者名/発表者名: 加柴達朗、佐藤洋美、宇津美秋、柴田侑裕、藤原拓也、樋坂章博．
  • 学会等名: 第89回日本薬理学会年会
  • 発表場所: パシフィコ横浜
  • 年月日: 2016-03-09
• [学会発表] Combined treatment of trichostatin A sensitizes renal cell carcinoma cells to sunitinib. (2015)
  • 著者名/発表者名: Uzu M, Kashiba T, Sato H.
  • 学会等名: 第75回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場
  • 年月日: 2015-10-08
• [学会発表] Combined treatment of trichostatin A enhances cytotoxic effects of sunitinib on renal cell carcinoma cells. (2015)
  • 著者名/発表者名: Sato,H.,Kashiba,T.,Uzu,M.,Fujiwara,T.,Shibata,Y.,Suzuki,R.,Yamaura,K.,Hisaka,A.
  • 学会等名: American Association for Cancer Research ANNUAL MEETING 2015
  • 発表場所: Philadelphia, PA, USA
  • 年月日: 2015-04-22
  • 国際学会