研究課題/領域番号 |
15K19454
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
下村 明弘 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座助教 (50734399)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2015年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2015年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | カルバミル化 / 尿素 / 血管石灰化 / uremic memory / 腎不全 |
研究実績の概要 |
我々は平成27年度に予定していた計画のうち、下記のことを明らかにした。応募の段階では尿素のコントロールをスターチとしていたが、スターチはカロリー負荷となるため適さないとその後判断し、セルロースへ変更して実際の研究を行った。 予備検討では、uremic memory保持期間と考えられる10%尿素負荷中止1週後にアデニン負荷を開始したラットでは、セルロース事前投与後アデニンを負荷したラットより血管石灰化に増悪傾向が認められる事を確認していたが、実験に供した動物数が少なく、統計学的有意差を見出すには至っていなかった。そこで、まず本研究では動物数を増やして再検討したところ、統計学的有意差を見出すことができ、真実であることを確認した。 次に、抗カルバミル化蛋白抗体を用いたWestern blotおよび免疫組織化学法により、4週間の10%尿素混餌投与で血管の構成蛋白質がカルバミル化されていることを明らかにした。次に継時的サンプリングにより、10%尿素混餌投与終了1週後では血管構成蛋白質のカルバミル化が保持されているが、8週後では消失しており、セルロース事前投与群と差が無いことを確認した。 そのため、カルバミル化が消失した尿素負荷終了8週後およびセルロース事前投与終了8週後よりアデニンを負荷して、その後に得られる血管石灰化の程度をカルバミル化が保持されている尿素負荷終了1週後からアデニンを負荷した場合と比較した。その結果、尿素負荷1週後からアデニンを負荷した際に認められていた血管石灰化の増悪は消失しており、その程度はセルロース事前投与群と同等であった。このことは、カルバミル化がuremic memoryとして作用し、アデニン誘導性腎不全ラットの血管石灰化を増悪させている可能性を示唆している。
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