研究課題/領域番号 |
15K19749
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
片桐 直之 東邦大学, 医学部, 講師 (70459759)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2015年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 精神病発症危険状態 / ARMS / 統合失調症 / レジリエンス / MRI / 探索眼球運動 / 線条体 / 脳梁 / 精神病発症閾値下の精神病症状 / SIPS/SOPS / 早期介入 / 閾値下の精神病症状 / 精神病閾値下の精神病症状 / 脳・神経 / resilience / 脳MRI |
研究成果の概要 |
精神病発症危険状態(At-risk mental state; ARMS)にある者のうち精神症状が精神病発症の閾値下に留まったARMS非発症群の精神病発症閾値下の精神病症状の改善と脳内の広範な神経ネットワークの中核である脳梁や線条体の構造の変化が関連するかを脳MRIを用いて調べた。 その結果、ARMS非発症群において一年間の陰性症状の改善と脳梁中部の体積の増加が有意に相関した。また、一年間の閾値下の陽性症状の改善と線条体の側坐核の体積の増加が有意に相関した。これらの結果は、閾値下の精神病症状の改善や精神病の発症が阻止される機序に脳梁や線条体の生物学的変化が寄与する可能性を示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ARMS群のうち経過観察の後も精神病発症に至らないため、これまで偽陽性群とも呼ばれてきたARMS非発症群であったとしても脳内の広範なネットワークを担う脳梁や線条体で病的変化が生じている可能性を示した。一方で精神病症状の発現が阻止され改善する過程に同部位の体積変化などの生物学的変化が寄与する可能性を示した。これらの機序の解明はARMSにおける回復、いわゆるレジリエンスの機序の究明への端緒となり、精神病の発症を阻止するための包括的な治療戦略の構築に資するものである。
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