研究課題
若手研究(B)
乳房温存手術後の短期部分照射の方法の一つに術中照射法がある。術中照射では、高線量投与による肺や心臓などの正常組織の障害を防ぐため、腫瘍床背側に厚みのある大きな遮蔽プレートを挿入する必要がある。同遮蔽プレートの挿入のために、皮膚に大きな切開を加える必要があり、乳房の整容性が低下する問題があった。本研究では、同等の遮蔽効率を有するが、小さな切開創で挿入可能な遮蔽プレートの開発を目指すものである。本研究期間にタングステン機能紙の遮蔽効率、乳房術中照射に頻用される電子線エネルギー9、12MVを遮蔽するために必要な造影剤の厚みや種類、乳房再建術で用いるエキスパンダーの遮蔽効率について検証、報告を行った。
乳がんは女性が罹患する癌の中で最も多く、また、根治率も高い疾患である。乳がん術中照射は術後の通院放射線治療が不要になるだけでなく、肺や心臓の被曝を0にするため、患者の負担を軽減するメリットがある。しかし、照射する部位と肺や心臓の間に遮蔽プレートを挿入する必要があるため、現行の方法では乳房の大きな手術創は不可避である。乳房の大きな術創は女性の治療後のQOLを大きく損ねるため、小さな術創から挿入可能な遮蔽プレートを考案し、その基礎的な検証を行った。実臨床で使用するには、まだ課題はあるが、柔らかい遮蔽プレートを作成することは理論上は可能であることが示唆され、今後更なる検討が望まれる。
すべて 2017 2016 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件)
Phys Med Biol.
巻: 63 号: 1 ページ: 015006-015006
10.1088/1361-6560/aa96cf
120006473526
Journal of Applied Clinical Medical Physics
巻: 18 号: 4 ページ: 155-160
10.1002/acm2.12116
Radiation Oncology
巻: 10 号: 1 ページ: 150-150
10.1186/s13014-015-0469-6