研究課題
若手研究(B)
臓器移植における最大の課題である拒絶反応の中で長期生着の阻害要因である慢性拒絶反応を制御する薬剤の探究のため、血管内蛋白の一つであるトロンボモジュリン(以下、TM)に注目した。TMをマウス心臓移植モデルに投与(128U、12.8U、1.28U/匹)すると、生着期間は無治療群7日間に対して、128U投与群50日間、12.8U投与群24日間、1.28U投与群17日間と著明な延長を示した。さらに、TM投与群の移植2週と4週後の組織評価において、心筋組織構造は比較的保たれFoxp3+制御性T細胞が多く誘導されていた。また、冠血管構造は保持され、冠動脈周囲のTM発現も保たれていた。
トロンボモジュリンによる①冠動脈内膜の微小血栓形成抑制効果、②制御性T細胞の誘導とTM製剤による抗炎症作用による急性拒絶反応の制御、③慢性拒絶反応の原因となる微小血管循環障害の抑制効果を解明することは、非特異的な免疫抑制剤の減量と慢性拒絶反応制御の解明にも繋がり、現代移植医療にとって望ましい結果をもたらす。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 5件)
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