人工内耳埋込術中における残存聴力の状態と手術操作による変動について、音入力による聴性脳幹反応・聴性定常反応を用いた解析を検討した。手術下において利用できる音入力の刺激装置を最初に検討した。しかし耳介や創部全体を清潔かつ密閉してカバーできる素材が未だ見つからない状況であり、入力の面で問題が生じている。手術室において各種術中モニタリング機器の測定音を小さく設定し騒音計で測定を行った結果、均一ではないが55dB未満の低騒音環境を構築することは可能だった。上記の結果から、本研究自体を進めるにあたっての前段階の状態で施行が困難な状況であり、研究期間内に有用な方策を見出すことができなかった。
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