研究課題
若手研究(B)
この研究では、岡山大学病院と児童発達支援センター岡山かなりや学園にて人工内耳埋め込み術および術後の療育を受けた小学校から高等学校の児とその保護者を対象として、英語学習に関する実態調査を行い、その後、同意が得られた児に日本語の言語発達(評価指標として理解語彙検査を使用)および英語力(評価指標としてローマ字を使用)との関連について調査した。対象となった7名の人工内耳装用児の日本語の語彙とローマ字の獲得について、明らかな有意差はみられていない。しかし、ローマ字獲得群の方が日本語の語彙の成績は良好であった。さらに対象者を増やすことで、日本語の語彙とローマ字の獲得の関連が明らかとなる可能性が考えられた。
今回の研究で行った、人工内耳装用児の保護者および中学生以上の児を対象とした質問紙を用いた実態調査では、すでに多くの難聴児が正常聴力児とともに学校教育の中で英語学習を行っている実態が明らかとなった。人工内耳装用児本人および保護者の英語学習に対するニーズは大きく、特に、英語学習が、高等学校や大学に進学するための手段として重要であると認識している背景が明らかとなった。しかし、人工内耳装用児の学校での英語学習における対応は個々に委ねられ、十分な支援が行われていないのが現状である。英語学習におけるリスニング時の対策、補聴援助システムの活用など、聞き取りについての配慮をより一層行う必要性が考えられた。
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