本研究の目的は、トゥレット症候群の当事者がチック症状をコントロールするために独自に行っている身体的・心理的な対処行動を明らかにすることである。本来、チック症状は不随意な神経運動であり、コントロールできないものとされているが、多くの当事者は自己流のチックの対処方法を身につけ、実践している。これを明らかにすることは、(まだ自己流の対処行動を身についていない)当事者への支援を考える際の一助となる。しかし、本研究の準備時に松田ら(2015)が同様の調査結果を発表した。そのため、本研究は、それをふまえた上で、さらに当事者を支援する方法を検討することにした。
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