表面電気伝導における磁性原子・分子の吸着効果とRashba分裂

• 研究課題/領域番号: 15K21112
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 物性Ⅰ
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 八田 振一郎 京都大学, 理学研究科, 助教 (70420396)
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2017-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2016年度)
• 配分額: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円); 2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円); 2015年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
• キーワード: 超薄膜 / 表面電子状態 / 電気伝導 / 角度分解光電子分光 / 有機薄膜

研究成果の概要

超高真空中で9-350 Kの広い温度範囲で電気伝導度の測定が可能な4端子プローブを用いて、金属超薄膜の電気伝導に対する吸着子の効果を調べた。2原子層厚のIn超薄膜に鉄フタロシアニン分子を吸着させると、抵抗率が増加するだけでなく、温度変化の係数が小さくなることが分かった。In超薄膜の電子状態に変化は見られなかったことから、この結果はIn超薄膜における電子格子結合の変化を示唆している。また、大きなラシュバ型スピン分裂を示すPb単原子層について遷移金属原子（NiおよびCo）の吸着の効果を調べた。残留抵抗は増加したが、今回測定した9-80 Kの範囲では近藤効果は確認されなかった。

研究成果

• [雑誌論文] Electrical conduction and metal-insulator transition of indium nanowires on Si(111) (2017)
  • 著者名/発表者名: S. Hatta, T. Noma, H. Okuyama, T. Aruga
  • 雑誌名: Physical Review B 巻: 95 号: 19
  • DOI: 10.1103/physrevb.95.195409
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Experimental evidence for two-dimensional states localized in subsurface region of Ge(111) (2015)
  • 著者名/発表者名: K. Yaji, Y. Ohtsubo, S. Hatta, H. Okuyama, R. Yukawa, I. Matsuda, P. Le Fevre, F. Bertran, A. Taleb-Ibrahimi, A. Kakizaki, T. Aruga
  • 雑誌名: J. Electron Spectros. Relat. Phenom 巻: 201 ページ: 92-97
  • DOI: 10.1016/j.elspec.2014.09.005
  • 査読あり
• [学会発表] In/Si(111)4x1表面の相転移：ヒステリシスの非対称とステップの効果 (2017)
  • 著者名/発表者名: 八田振一郎、奥山弘、有賀哲也
  • 学会等名: 日本物理学会2017年年次大会
  • 発表場所: 大阪大学（豊中市）
  • 年月日: 2017-03-17
• [学会発表] In/Si(111)√7×√3-hex表面の電子構造 (2017)
  • 著者名/発表者名: 寺川成海、八田振一郎、奥山弘、有賀哲也
  • 学会等名: 日本物理学会2017年年次大会
  • 発表場所: 大阪大学（豊中市）
  • 年月日: 2017-03-17
• [学会発表] 4 端子伝導度測定を用いた鉄フタロシアニン超薄膜の成長の観察 (2017)
  • 著者名/発表者名: 八田 振一郎、奥山 弘、有賀 哲也
  • 学会等名: 第64回応用物理学会春季学術講演会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（横浜市）
  • 年月日: 2017-03-14
• [学会発表] Electronic Structure and Electrical Conduction of Ultrathin Bi_2Te_3 Films (2017)
  • 著者名/発表者名: S. Hatta, K. Obayashi, H. Okuyama, T. Aruga
  • 学会等名: Symposium on Surface Science & Nanotechnology -25th Anniversary of SSSJ Kansai
  • 発表場所: 京都市国際交流会館（京都市）
  • 年月日: 2017-01-24
  • 国際学会
• [学会発表] Electronic Structure of In/Si(111)√7x√3-hex Surface (2017)
  • 著者名/発表者名: S. Terakawa, S. Hatta, H. Okuyama, T. Aruga
  • 学会等名: Symposium on Surface Science & Nanotechnology -25th Anniversary of SSSJ Kansai
  • 発表場所: 京都市国際交流会館（京都市）
  • 年月日: 2017-01-24
  • 国際学会
• [学会発表] Bi_2Te_3 超薄膜の電子状態と電気伝導 (2016)
  • 著者名/発表者名: 八田振一郎、大林嵩、奥山弘、有賀哲也
  • 学会等名: 2016 真空・表面科学合同講演会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場（名古屋市）
  • 年月日: 2016-11-29
• [学会発表] In/Si(111)4x1表面の相転移とヒステリシス (2016)
  • 著者名/発表者名: 八田 振一郎、奥山 弘、有賀 哲也
  • 学会等名: 2016年度関西薄膜表面物理セミナー
  • 発表場所: 神戸セミナーハウス（神戸市）
  • 年月日: 2016-11-18
• [学会発表] FePc吸着 In/Si(111)表面の電子状態と電気伝導 (2016)
  • 著者名/発表者名: 八田振一郎、坂田直人、奥山弘、有賀哲也
  • 学会等名: 日本物理学会2016年秋季大会
  • 発表場所: 金沢大学（金沢市）
  • 年月日: 2016-09-13
• [学会発表] Si(111)基板上におけるBi2Te3超薄膜の成長と電子状態 (2016)
  • 著者名/発表者名: 八田 振一郎、大林 嵩、奥山 弘、有賀 哲也
  • 学会等名: 日本物理学会第71回年次大会
  • 発表場所: 東北学院大学（仙台市）
  • 年月日: 2016-03-19
• [学会発表] In/Si(111)-(4×1)表面の相転移と電気伝導 (2015)
  • 著者名/発表者名: 八田 振一郎、奥山 弘、有賀 哲也
  • 学会等名: 第35回表面科学学術講演会
  • 発表場所: つくば国際会議場（茨城県つくば市）
  • 年月日: 2015-12-01
• [学会発表] Si(111)基板上に成長させた Bi2Te3 薄膜の電子状態と電気伝導 (2015)
  • 著者名/発表者名: 大林 嵩、八田 振一郎、奥山 弘、有賀 哲也
  • 学会等名: 第35回表面科学学術講演会
  • 発表場所: つくば国際会議場（茨城県つくば市）
  • 年月日: 2015-12-01
• [学会発表] Si(111)基板上に成長させたBi2Te3薄膜の電子状態と電気伝導 (2015)
  • 著者名/発表者名: 大林 嵩、八田 振一郎、奥山 弘,、有賀 哲也
  • 学会等名: 表面界面スペクトロスコピー2015
  • 発表場所: 国立女性教育会館（埼玉県比企郡嵐山町）
  • 年月日: 2015-11-27
• [学会発表] In/Si(111)-(√7x√3)表面の電気伝導に対する吸着鉄(II)フタロシアニンの効果 (2015)
  • 著者名/発表者名: 坂田 直人、八田 振一郎、奥山 弘、有賀 哲也
  • 学会等名: 2015年度関西薄膜表面物理セミナー
  • 発表場所: グリーンビレッジ交野（大阪府交野市）
  • 年月日: 2015-11-20
• [学会発表] 特異な電子状態をもつ金属単原子層の電気伝導特性 (2015)
  • 著者名/発表者名: 八田 振一郎
  • 学会等名: 応用物理学会関西支部平成27 年度 第2 回講演会講演会
  • 発表場所: 大阪大学中之島センター（大阪市）
  • 年月日: 2015-09-30
  • 招待講演
• [学会発表] In/Si(111)-(√7×√3)表面の電気伝導に対する吸着フタロシアニンの効果 (2015)
  • 著者名/発表者名: 八田 振一郎、坂田 直人、奥山 弘、有賀 哲也
  • 学会等名: 日本物理学会2015年秋季大会
  • 発表場所: 関西大学（大阪府吹田市）
  • 年月日: 2015-09-25
• [学会発表] Si(111)基板上に成長させたBi2Te3薄膜の電子状態と電気伝導 (2015)
  • 著者名/発表者名: 八田 振一郎、大林 嵩、奥山 弘、有賀 哲也
  • 学会等名: 日本物理学会2015年秋季大会
  • 発表場所: 関西大学（大阪府吹田市）
  • 年月日: 2015-09-25
• [学会発表] 温度可変型 4 端子プローブでみる表面低次元金属の電気伝導 (2015)
  • 著者名/発表者名: 八田 振一郎
  • 学会等名: 平成27年度前期物性研究所短期研究会
  • 発表場所: 東京大学物性研究所（千葉県柏市）
  • 年月日: 2015-06-24
  • 招待講演
• [備考] 京都大学大学院理学研究科化学専攻表面化学研究室ホームページ
  • URL: http://kuchem.kyoto-u.ac.jp/hyoumen/