研究課題/領域番号 |
15K21439
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
アジア史・アフリカ史
中国文学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小二田 章 早稲田大学, 文学学術院, その他(招聘研究員) (10706659)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | アジア史 / 中国 / 地方志 / 編纂過程 / 記載形成 / 治績 / 近世 / 杭州 / 近世中国 / 時代性 / 地方官 / 地域社会 / 地図 |
研究成果の概要 |
中国の宋代以降の「地方志」の編纂活動と社会変容について、杭州を場として、地方志編纂とその背景の検討を行った。まず、南宋期に編まれた地方志について編纂形式確立の政治的背景を明らかにした。また、元朝における地方志全国化の端緒となった『大元一統志』の編纂過程に関する試論を行った。次に、明代の『萬暦杭州府志』について、地方志の記載を作りだす撰者・陳善の意図と背景の時代的特徴を考察した。さらに、清初期の『西湖志』を対象に清朝の文化支配について考察した。そして、乾隆期の地方志編纂の思想的リーダーである章学誠について、研究整理と「烈女」項目に関する報告を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
宋~清代の地方志の編纂背景を歴史的に位置づけることで、地方志の形式・記載の変化発展の過程を明らかにし、その過程の背景と時代性の存在を示すことが出来た。これにより、史学史上の問題のみならず、地方志編纂を通じて各時代の社会を検討する新たな研究上の視座を獲得した。また、地方志の記載の一種類である治績について、その記載の変遷過程について明らかにした。以上の中国の「地方志」に関する研究成果を挙げたことで、地方志を媒介にしたジェンダー史研究、及び東アジア全域で制作された同様の書物カテゴリ「地方史誌」の時代性と世界史的意義など、新たな学問領域に進むための基礎を確立した。
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