研究課題/領域番号 |
15K21527
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
日本文学
中国文学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
原田 信 近畿大学, 経営学部, 准教授 (00633447)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2015年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 詩経図譜 / 名物考証 / 本草学 / 物産学 / 新井白石 / 詩経図 / 稲生若水 / 詩経小識 / 『詩経』図譜 / 小野蘭山 / 春木煥光 / 毛詩名物図説 / 徐鼎 / 詩経注釈 / 名物学 / 博物学 / 江戸時代 / 詩経 / 岡元鳳『毛詩品物図考』 / 清代書肆と日本『詩経』図解 / 清代後期における日本『詩経』図解の普及と影響 / 江戸の儒学者と『詩経』中の儀礼制度の図解 / 江戸の本草学者と『詩経』中の動植物の図解 |
研究成果の概要 |
本研究では、日本で編纂された『詩経』図譜を網羅的に調査し、各『詩経』図譜の編纂者と編纂動機を時系列に従って整理し、各図譜の内容上の特徴を分析した。この結果、日本で最初の『詩経』図譜である『詩経図』は儒学者・新井白石と本草学者・稲生若水の共作であること、そして後世の『詩経』図譜の編纂には、稲生若水の影響を受けた本草学者が多く関与したことを明らかにした。これとともに、日本ではわずかしか編纂されなかった、礼制に関する器物を図示した『詩経』図譜は、ほぼすべて儒学者の手になることも明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果、日中の『詩経』図譜の差異が形成された原因は、日本における『詩経』図譜の編纂と名物考証の先鞭をつけたのが本草学者の稲生若水であること、そして彼の影響を受けた本草学者が『詩経』中の動植物の考証に高い関心をもったからだと結論づけられた。これまでの研究では、本草学者が本草学の研究に取り組む状況が取り上げられることはあっても、どのように経書の考証に関与したのかという問題は、ほとんど取り上げられなかった。本研究を通じて、中国から伝わった経書に対して、日本の本草学者が儒学者とは異なる関心をもち、独自の考証を発展させていく経緯の一端が明らかになったと考えられる。
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