研究課題
若手研究(B)
原子泉を長期間連続的に運転するために、数ヶ月以上周波数ロックをかけ続けられる外部共振器半導体レーザを開発し、原子泉のシステムに実装した。このレーザでは、アライメントに鈍感なキャッツアイ配置の共振器を、機械的な不安定性を生む要因となる位置微調器具を使わずに構築した。また、筐体で密閉し、大気圧変動による周波数ドリフトを抑制した。原子泉においては、光モラセスや光ポンピングの光学系を改善することにより冷却原子の数を増大させ、周波数安定度を7×10-14/tau(1/2) (tau: 平均時間(s))まで向上させた。また、不確かさを6.1×10-16と評価した。
セシウム原子泉は16桁の精度で時間周波数の標準を実現するが、基本的には秒の長さを決めるものであり、時刻を刻む時計として用いるには長期間連続的に動作させることが必要となる。本研究では、超高精度のセシウム原子泉のさらなる高精度化と時計としての安定した動作を実現するために、時計の精度に直結する周波数安定度の向上と長期連続運転を両立させ、原子泉の総合的な性能を向上させた。また、長期連続運転のために開発した外部共振器半導体レーザは、原子泉だけでなく原子重力計や原子磁気センサなどのレーザ冷却や原子分光を利用した実験装置を将来実用化する際に、極めて有用なレーザ光源となりうる。
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