研究課題/領域番号 |
15K21773
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(帰国発展研究)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡部 泰賢 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 特定准教授 (50522124)
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研究期間 (年度) |
2016 – 2019
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
57,200千円 (直接経費: 44,000千円、間接経費: 13,200千円)
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キーワード | マクロファージ / 組織恒常性 / ビタミンA / 自然免疫 / 免疫学 / 組織環境 / 体腔 |
研究成果の概要 |
生体内において細胞の分化・増殖は周囲の組織環境(ニッチ)による支配を受ける。本研究では、マクロファージの組織発生を司るニッチの実体の解明を試みた。研究代表者は、腹腔内臓器の大網組織から産生されるレチノイン酸が腹腔マクロファージの組織発生・固有性の誘導に必須の役割を担うことを明らかにするとともに、大網組織においてレチノイン酸を非常に高発現する非血球細胞種を同定した。本細胞はレチノイン酸合成に必須な遺伝子群を発現するとともに、マクロファージの発生の場である大網乳斑の近傍に局在することから、腹腔におけるマクロファージの発生・固有性を制御するニッチ細胞として機能することが考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、マクロファージが機能的に多様性を示すことで多岐に渡る生命現象に寄与することが明らかにされつつある。同時に、マクロファージの機能異常が癌、炎症性腸疾患、リウマチ、神経変性疾患、生活習慣病、肺胞蛋白症、大理石骨病などの多岐にわたる疾患に密接に関与することが理解され、生体内におけるマクロファージ発生機構を理解することの重要性が提議されている。本研究は、マクロファージ多様性の包括的・体系的な理解の進展に貢献し、マクロファージ機能の破綻に伴う疾患の原因究明・予防に貢献する可能性が考えられる。
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