研究課題/領域番号 |
15KK0024
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
放射線・化学物質影響科学
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
石原 康宏 広島大学, 総合科学研究科, 助教 (80435073)
|
研究協力者 |
Vogel Christoph University of California, Davis, Center for Health and the Environment, Research Professor
Haarmann-Stemmann Thomas Leibniz Research Institute for Environmental Medicine
|
研究期間 (年度) |
2016 – 2018
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
|
キーワード | 芳香族炭化水素受容体 / ミクログリア / マクロファージ / 酸化ストレス / 炎症 / 炎症反応 / AhR / NADPH oxidase / 環境化学物質 / 脳内炎症 |
研究成果の概要 |
本研究では芳香族炭化水素受容体(AhR)を介した酸化的神経障害のメカニズム解明を目指した。AhRにより発現制御を受ける遺伝子の解析から、NADPH oxidaseのサブユニットの1つであるp47phoxを同定した。p47phoxはそのプロモーター領域に2つのダイオキシン応答配列(DRE)をもち、AhRにより直接、発現制御を受けた。p47phoxはAhR刺激により活性酸素を生成した。また、AhRの標的として炎症性サイトカインIL-33も同定した。IL-33のプロモーター領域に2つのDREが存在し、これらの1つがAhRに応答した。本研究では、AhRの下流で障害的に働く2分子を同定した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、メチル水銀をはじめとした化学物質によるAhRを介した酸化的神経障害メカニズムを示すものである。AhRは、ダイオキシン類の受容体であり、リガンドが結合すると代謝酵素の発現を上昇させる解毒に関わる転写因子としての一面が良く研究されているが、本研究から、AhRが酸化ストレスのレギュレーターとなり、また炎症反応を制御するという従来とは異なる役割が示される。化学物質による神経毒性メカニズムが明らかになることにより、化学物質に感受性の高いグループが同定できるため、化学物質の使用に際してオーダーメイドの対策が可能となり、化学物質による障害の予防にも役立つ。
|