研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
ヒノキ科樹木の年輪幅等を対象に,日本における年輪変動の地域間類似を明らかにし,木材産地推定の基礎的な知見を得ることを目的とした。21サイトの現生木試料を対象とした年輪幅変動の地域間類似度比較では、各地域集団内の曲線間でt値が高くなる傾向が認められ、地理的・気候的区分に従って年輪幅変動が類似していることが明らかになった。主成分分析でも同様に、地域集団ごとにグループ化が可能であった。主成分負荷量から各主成分は各地の地理的・気候的特徴を表していると推定された。クラスター分析でも、各曲線は地域集団ごとにクラスターを形成した。酸素安定同位体比の比較でも、近接した地域ほどt値が高くなる傾向が認められた。
木材は、人類史において常に重要な植物資源であり、木質遺物の由来を知るためにその産地推定を行うことは、過去の人々の交易や森林資源獲得,森林破壊の有様を推定する上で重要である。しかしながら、我が国では木材産地推定の有力な手法である年輪年代学に基づく産地推定は、データ蓄積が少ないためほとんど行われてこなかった。本研究では、日本の有用樹種であるヒノキ科樹木を対象として木材産地推定の可能性を検討するため、全国各地の現生老齢樹から年輪試料を収集し、年輪変動の地域的類似性を調べた。その結果、年輪変動が地理的・気候的区分に従っており、この性質を利用することで木材産地推定が可能であることを示した。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 3件)
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