研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
本研究は17・18世紀を中心に、海域アジアでの貿易商品の生産や流通、消費文化の分析を行うことで、海域アジア社会の変化が1680年以後に大きく生じたことを明らかにした。それまでは生糸などの奢侈品貿易が中心あったが、17世紀末以後、砂糖をはじめ、米や銅、錫といった比較的安価な商品の貿易がアジアでは盛んになった。こうしたアジア社会の変化を近世後期におけるグローバルな同様の変化傾向と軌を一にしていたと位置付けた。
近世海域アジアの域内貿易および世界貿易について、オランダ語史料や他の欧語・アジア語史料を組み合わせるという多言語史料に基づいた実証的な研究を進め、上記の「研究成果の概要」に記した研究成果を得られた。また、グローバル・ヒストリー的な視点から、この実証研究の成果の意義を明らかにし、そのうえで、現代にいたるグローバル化の歴史的展開にかんして、日本を含めた近世アジアの立ち位置を明確とするようなグローバル・ヒストリー研究の新たな方向性を提起した。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (32件) (うち国際学会 29件、 招待講演 6件) 図書 (3件) 学会・シンポジウム開催 (4件)
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