研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
本研究を通じて、パドロン上のカシケの順列が布教区内でのカシカスゴの序列に相当したこと、布教区内の有力カシカスゴは名簿の初めの箇所で言及されたのに対して、改宗間もないカシケが率いたカシカスゴはパドロンの末尾に記載されたことがわかった。つまりパドロンは、カシケの社会的な威信を反映する鏡であった。またカシケは、布教区内に設けられた街区ごとに居住スペースを割り当てられたが、この街区についても序列が存在したことが解明された。さらに、特定の地図に記されたグアラニの苗字をパドロン上の苗字と比較し、苗字が記された地図上の箇所が布教区住民により世帯ごとに耕作されていた農地に該当することが解明された。
住民名簿を1656-1801年にわたる長期的タイムスパンから分析したことで、スペイン領南米ラプラタ地域に設けられたイエズス会グアラニ布教区(グアラニ先住民キリスト教化のための施設)の組織的な基盤が、グアラニの伝統的な社会組織カシカスゴであったこと、カシカスゴは日々の労働や祝祭、軍事遠征を行う際に活用されていたこと、カシカスゴの活用を通じて布教区が1609-1767年にかけて有機的に機能していたことなどが解明された。
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L. Dierksmeier, F. Fechner and K. Takeda (eds.), Indigenous Knowledge as a Resource: Transmission, Reception, and Interaction of Global and Local Knowledge between Europe and the Americas, 1492-1800
巻: s/n
Surandino monografico
巻: 5 ページ: 65-107
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