研究課題/領域番号 |
15KK0065
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
|
研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
佐藤 公美 甲南大学, 文学部, 教授 (80644278)
|
研究期間 (年度) |
2016 – 2019
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
|
キーワード | アルプス / ティロル南部 / メラーノ/メラン / 15世紀 / 公証人文書 / メラーノ/メランの年市 / 地域市場 / 境域 / 西洋史 / アルプス史 / 公証人 / 法文化 / 年市 |
研究成果の概要 |
本研究は、一般にティロル南部で公正証書が後退してゆく15世紀後半のメラーノの公証人レオナルドゥス・フェントの公証人登記簿を分析し、この時期の公証人文書の役割を検討した。分析の結果レオナルドゥスの公正証書の少なからぬ部分がメラーノの年市での取引に関連することが明らかになった。顕著なのはバイエルン商人とトレンティーノの渓谷地帯、とりわけノン渓谷の商人との間の豚の取引である。これにより、インターリージョナルな織物市場として知られていたメラーノの年市がアルプス周辺諸地域をつなぐインターローカルな市場としての性格も持ち、そこで公正証書が15世紀後半にも役割を維持していたことが明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は第一にこれまで研究されてこなかったまとまった未刊行史料を分析し、中世ティロル南部の文書文化とその意義を解明することにより、現地メラーノとトレンティーノ・アルト・アディジェ州および周辺地域の歴史学の進展に貢献した。またこの独特の法文化と文書文化をもつ地域の現実の解明は、アルプス周辺地域とヨーロッパの法文化史や政治文化史の理解に新たな要素をもたらし、比較研究の素材としても有益な事例を提供する。さらにメラーノの年市の実態の解明は、ヨーロッパの近世化過程における地域経済と世界経済の関連動向を解明するためにも貢献すると考える。
|