研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
ゼオライト結晶中にアルカリ金属クラスターを配列させると結晶構造と組成に依存して強磁性・反強磁性・フェリ磁性などの磁気秩序が発現する.これらの発現機構を解明すべく中性子回折やミュオンスピン緩和などを適用した.英国のRALにおいて,Heガス圧を印加することにより,Na-K合金クラスターが示すフェリ磁性が極端に増強される現象について,温度・圧力を網羅した相図の作成に成功した.さらにこの系について,加圧下でのミュオンスピン緩和測定をRALで行い内部磁場の観測に成功した.常圧下の強磁性/フェリ磁性試料について偏極中性子回折実験を行い,ナノクラスター中のスピン密度分布に関する知見を始めて得た.
本研究の対象物質には,遷移金属元素のd電子や希土類元素のf電子が全く含まれていない.本来,磁気秩序とは最も縁遠いと考えられるs電子が磁気秩序を示すという点で非常にユニークであると言える.本研究の成果は,周期的なナノ空間においてs電子がいかに強磁性を示すのかを解明する直接的な手がかりを得た点に学術的意義がある.また,対象物質の構成元素はNa, K, Al, Si, O であり,地球上に極めてありふれた元素(ユビキタス元素)のみである.希少元素を全く用いずに磁性体を実現する指針を与えており,将来社会への還元も期待できる.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 7件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 11件、 招待講演 5件)
Journal of the Physical Society of Japan
巻: to be published
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