研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
本国際共同研究では、最先端の高磁場NMR 技術を持つフランス国立強磁場研究所に滞在し、強磁性超伝導体における磁場誘起超伝導メカニズムの解明を極低温高磁場下のNMR法により行った。その結果、17テスラ100mKという極低温強磁場でGe-NMR信号の観測に初めて成功した。更にその信号を用いて核磁気緩和時間の磁場依存性を測定し、超伝導が出現する400mK以下の温度領域においても磁場誘起三重臨界点に起因する強いスピン揺らぎが存在することを明らかにした。このことはウランの5f電子スピンの揺らぎが磁場誘起超伝導の引力の起源となっていることを強く示唆している。
超伝導はもともと磁場とは相性が悪く、強い磁場をかけていくと最後には超伝導が壊されてしまう。ところがウラン化合物で見つかった強磁性超伝導体では、磁場によって新しい超伝導が誘起される。この特異な振る舞いは、新しい超伝導機構の存在を直感的に示唆している。本国際共同研究では、最先端の高磁場NMR技術を持つフランス国立強磁場研究所と共同で、ウラン系強磁性超伝導体のNMR研究を行い、磁場で誘起されたスピン揺らぎが磁場誘起超伝導の発現に強く関わっていることを明らかにした。今後この磁場で安定化する特異な超伝導機構が解明が進めば、超伝導応用の可能性を大きく広げることになる。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 7件、 査読あり 10件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 4件、 招待講演 4件)
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