研究課題/領域番号 |
15KK0291
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
津田 祥美 北海道大学, 医学研究院, 講師 (70447051)
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研究期間 (年度) |
2016 – 2019
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
13,910千円 (直接経費: 10,700千円、間接経費: 3,210千円)
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キーワード | ウイルス / 病原性 / ウィルス / 感染症 |
研究成果の概要 |
エボラウイルスの主要標的細胞がマクロファージや樹状細胞などの単核性食細胞系であるとされているが、これらの細胞が致死的病態にどのような役割を果たしているかは不明である。本研究ではマクロファージや樹状細胞での増殖が抑制された組換えウイルスを作出しマウスモデルにおける感染実験を行なった。その結果、マウスに致死的な病原性を示す親株と異なり組換えウイルスでは病原性が減弱していることが確認された。さらに感染初期にマクロファージでのウイルス増殖を抑制することで全身臓器でのウイルス増殖を遅らせ、制御された免疫応答により誘導された獲得免疫がマウスの生残に重要である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エボラウイルス病はヒトやサルに重篤な出血熱を引き起こす人獣共通感染症である。2014年の大規模なアウトブレイク以後、ワクチンや治療薬の開発が進んでいるが、有効な治療薬や的確な対症療法の開発のための病原性の解明は喫緊の課題である。本研究の成果は、エボラウイルスの初期標的細胞とされていたマクロファージや樹状細胞での感染初期におけるウイルス増殖がその後の致死的病態にどのように関与し、宿主応答を誘導するかを示すものであり、メカニズム解明への一助となるとともに、今後の治療法開発などに非常に重要な知見を与えるものとなると考えられる。
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