研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
ヌーナン症候群の網羅的遺伝子解析において、我々はRRAS2のバリアントを同定した。そこで、RRAS2バリアントを導入したゼブラフィッシュモデルをDuke大学Center for Human Disease Modelingで作成した。野生型あるいは変異型mRNAを合成し、col1a1:egfp系統のゼブラフィッシュの胚(1-4細胞期)に注入した。受精後3日目に頭頚部異常を評価するため、角舌骨の角度を測定したところ、患者で同定されたバリアントを導入した個体では野生型と比較して角度が有意に大きかった。さらに体長を測定したところ、バリアントを導入した体長が有意に短かった。
本研究はRRAS2の変異が先天性疾患であるヌーナン症候群の原因になることを世界で初めて明らかにするものである。ヌーナン症候群は指定難病および小児慢性特定疾病であり、診断基準上の「確実なヌーナン症候群」の診断は臨床症状より行われるが、判断が困難な場合がありうる。一方で「確定診断されたヌーナン症候群」は「上記確実なヌーナン症候群の要件を満たし、PTPN11などのRAS/MAPKシグナル伝達経路のヌーナン症候群責任遺伝子群に変異が同定された場合」とされており、RRAS2はヌーナン症候群責任遺伝子群の1つと考えられる。そのため、この発見は指定難病・小児慢性特定疾病と確定診断するために重要である。
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