研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
本研究では、基課題の研究成果を基に、核酸・ナノキャリア複合体の自然免疫活性化機構を利用した静脈内投与型ワクチン開発に係る基礎的検討を進めた。我々は、微粒子表面に提示されたポリエチレングリコール(PEG)が T細胞非依存性抗原として脾臓辺縁帯のB細胞受容体に認識され、濾胞領域へと送達される極めてユニークな現象を明らかにしている。本検討では、抗PEG抗体分泌がPEGと核酸(TLRリガンド)の共局在・共刺激によって増強された事から、TLRリガンド含有PEG修飾リポソームが脾臓濾胞への抗原送達体として優れているだけでなく、細胞選択的なアジュバントとしても機能し、静脈内投与型ワクチンとなることを示した。
本課題の遂行により、静脈投与型の新たなワクチンの開発に繋がる新規な免疫方法が見出された。本免疫方法は脾臓を標的免疫組織としていることから、独自性が高く、皮下投与が主流のこれまでのワクチンとは異なる免疫反応が期待できるため、有用なワクチンの開発に繋がることが期待される。また、本課題の進捗に伴い、新たに課題も見出され、新たな枠組みでの国際共同研究が開始された。学部間交流や大学院生や研究生の交換にもつながっており、意義は大きい。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Int. J. Nanomed.
巻: 13 ページ: 6345-6357
10.2147/ijn.s161369
120006956857