研究課題/領域番号 |
15KK0318
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
神経生理学・神経科学一般
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
伊丹 千晶 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (90392430)
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研究期間 (年度) |
2016 – 2019
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 11,000千円、間接経費: 3,300千円)
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キーワード | critical period / barrel cortex / STDP / CB1R / 体性感覚 / バレル皮質 / スパイクタイミング依存性可塑性 / カンナビノイド / LTD / 活動依存的 / マップ形成 / 大脳皮質 / 体性感覚野 / CB1受容体 / 臨界期 / スパイクタイミング可塑性 / Tetrahydrocannabinol / スパイクタイミング依存性可塑性(STDP) / 視床-皮質投射 |
研究成果の概要 |
齧歯類のバレル皮質を用いて、生直後(P0)以降、視床皮質投射形成とその過形成からの退縮(P5以降)、P6以降の4層-2/3層投射形成に、それぞれ異なる神経活動依存的可塑性、すなわち異なるスパイクタイミング依存性可塑性(STDP)が関与することを明らかにした。更に視床皮質投射の過形成からの退縮にはカンナビノイド受容体(CB1R)を介したSTDPが関与すること、またP12-15以降、L4-L2/3シナプスでもCB1Rが関与したSTDPが出現することで臨界期が開始する事を示し、皮質内回路形成から臨界期開始に至るまでのモデルを初めて提示する事ができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大脳皮質の臨界期可塑性の研究は、言語獲得等にも同様の臨界期がある事が明らかにされると、大脳皮質の学習のメカニズムに繋がると考えられ、膨大な実験がなされたが、臨界期全体がどのように進んでいくのかという全体像は不明瞭なままであった。我々は投射回路形成と可塑性を調べる一連の研究により、視床皮質投射形成からいかにして臨界期開始に至るかを説明するモデルを始めて提唱し、臨界期のメカニズムの解明に大きく寄与することができた。また、このメカニズムにカンナビノイドが深く関与していることを明らかにしたが、しばしば乱用される大麻が大変危険であると言うことに科学的根拠を加えたという点においても、社会的な意義は大きい。
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