研究課題/領域番号 |
15KK0323
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
藤田 真由美 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 放射線障害治療研究部, 主任研究員(定常) (80580331)
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研究協力者 |
David Wink A. National Institutes of Health, National Cancer Institute, Cancer and Inflammation Program, Deputy Program Director, Head, Molecular Mechanisms Section
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研究期間 (年度) |
2016 – 2018
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
13,780千円 (直接経費: 10,600千円、間接経費: 3,180千円)
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キーワード | 放射線がん治療 / 浸潤 / 転移 / 放射線癌治療 / 細胞浸潤 / 放射線照射 / 癌 / 放射線 |
研究成果の概要 |
がんの放射線治療では、技術の進歩により効果的な原発巣の殺傷効果が得られるようになってきたが、今後さらに高い生存率を得るためには、治療後の再発や浸潤・転移をいかに抑制できるかが課題である。申請者らは、ある特定の細胞株では細胞全体の集団の中に、放射線に抵抗性で、かつ、高い浸潤能を有する「放射線抵抗性浸潤細胞」が存在する事を発見した。この細胞集団は、放射線に打ち勝ち生き残り、浸潤転移の原因になる可能性が考えられる。本研究により「放射線抵抗性浸潤細胞」は一酸化窒素を産生していること、また、マウスを用いた実験から、一酸化窒素の合成阻害剤が「放射線抵抗性浸潤細胞」の転移の抑制に効果的であることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん放射線療法は侵襲のない局所療法であり、高齢化社会に移行しつつある日本では重要な治療法の一つである。中でも重粒子線治療装置は1993年に世界で初めて放医研に設置され、世界から注目されている。このような日本発の高いポテンシャルを有した放射線がん治療をさらに発展させる為、本研究では米国の癌研究の拠点であるNIHの著名な研究者と共同研究を行い、放射線に抵抗性でかつ高い浸潤転移リスクを持つ細胞集団を効率良く抑制する方法を見出した。本研究で得られた成果及び強固な国際ネットワークは、今後世界へ向けた粒子線研究の発展の架け橋となり、日本を中心とした国際ネットワークの飛躍的な拡充にも繋がるものと期待できる。
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