研究課題
基盤研究(B)
生物の形は複雑で、単純な幾何的な構造だけではなくフラクタル構造が多く見られるが、その生成メカニズムは分かっていなかった。今回我々は、網膜血管の樹状構造と頭蓋骨の縫合線という二つの例について、生物学的な知見に基づいた数理モデルを作成し、その性質から構造にフラクタル性が生じることを示した。具体的には網膜血管に関しては、血管径に関するMurray則と均等二分岐という幾何学的形状を用い、頭蓋骨の縫合線については遺伝子発現の確率的な揺らぎを用いて、形態にスケーリング側が成り立つことを示した。
生物の形は複雑で、フラクタル構造が存在することは古くから指摘されていた。しかし、フラクタル次元の計測のみが行われて、なぜそのような形になるのか、その根本的なメカニズムは理解されていなかった。今回、網膜血管と頭蓋骨縫合線という二つの例について、パターン形成のメカニズムを数理モデルを作成することで理解し、そのメカニズムによってフラクタル構造が生成されうることを示した。
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Journal of theorietical biology,
巻: 408 ページ: 66-74
10.1016/j.jtbi.2016.08.003