研究課題
基盤研究(B)
化学反応は、遷移状態における原子の配置や運動によって決定付けられるため、遷移状態近傍における波動関数の形状を直接観測する意義は大きい。本研究課題は、振動や回転に対する波動関数・状態確率分布を実空間で可視化することを目指し、独自のコンセプトに基づいた2次元イオン画像観測装置を製作した。時間分解クーロン爆発イメージング法と組み合わせることにより、高い時間・空間分解能と高検出効率を両立させた観測を実現し、1方向にそろって回転する分子集団が示す量子論的挙動を初めて明らかにした。さらに、電子励起分子に対する回転固有状態の観測や、分子運動の実時間観測を活用した分子クラスターの分光学的研究へと展開した。
本研究課題は、もっぱら理論計算の結果としてのみ表示されてきた波動関数や存在確率分布という存在を実際に測定された物理量として提示するものである。この結果は、科学に興味を持つ一般の方々に対してまでも躍動する分子の姿をvividに伝えるものであり、そのインパクトは物質科学全領域をカバーする。また、分子運動に関する波動関数の時空間発展を実験的に計測することにより、振動や回転のエネルギー準位を明らかにし、分子構造や相互作用ポテンシャルまでも特定する道を拓いたという点でも、大きな意義を有する。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (58件) (うち国際学会 33件、 招待講演 14件) 備考 (3件)
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