研究課題/領域番号 |
15KT0135
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 特設分野 |
研究分野 |
紛争研究
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
植木 千可子 (川勝千可子) 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究科), 教授 (50460043)
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研究期間 (年度) |
2015-07-10 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2015年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 抑止 / 安全保障 / 国際政治学 / 国際関係 / 抑止論 / ナショナリズム / 紛争研究 / 戦争予防 / 相互依存 |
研究成果の概要 |
紛争研究において、抑止の成立条件の特定は、紛争回避の上で重要である。抑止研究は冷戦時代の米ソの対立を背景に理論化が進んだが、現在の世界は当時と大きく異なる。核保有大国間の相互依存が進み核戦争勃発の危険が低下した一方、小規模紛争の発生の蓋然性は増している。本研究においては、現状に照らして抑止について概念整理をするとともに、抑止をめぐる当事者の認識などの調査を行った。その結果、日米の安全保障担当者の間には抑止の効力に関して楽観論が強い一方で、中国の軍事・安全保障の専門家は、拒否的抑止という用語も概念も知らないという人も少なくなかった。抑止の意図に関しては誤認が存在する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
離島をめぐる紛争が懸念されている。この紛争を防ぐには抑止することが重要である。本研究は通常兵力による拒否的抑止が抱える問題点などを離島をめぐる小規模紛争や、第3者が紛争に軍事介入する場合に焦点を当てて検討した。新たな状況に合わせて抑止の概念を整理した上で、安全保障実務者の認識を探った意義は大きい。実務者には抑止が容易で相手に対する意思の伝達も適正に行える、という認識が見られた。しかし、事例研究では、互いの意図が正しく伝達できているということは確認できなかった。中国では拒否的抑止の考え方は、一般的に知られていないという実態もあった。これらを踏まえて、実際の政策に反映させていくことが重要である。
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