研究課題/領域番号 |
16011202
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小椋 利彦 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60273851)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
2004年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 心臓 / Tbx / 進化 / ゲノム / 先天性疾患 / ゼブラフィッシュ |
研究概要 |
本年度は、ゼブラフィッシュを用いてmorpholino oligoによる遺伝子機能阻害実験、ノックダウンの系を確立した。いくつかの既知の遺伝子のノックダウンを行い、効率良く遺伝子機能を破壊することが確認できた。また、ノックアウトマウスの作成によって、ほ乳動物においても遺伝子機能破壊の実験系を進める系を確立しつつある。本年度のこのような試みによって、ニワトリ、魚類、ほ乳類などの多様な生物種を使って、形態の多様性と進化的な基盤を研究する足場ができた。Tbx遺伝子、Irx遺伝子の機能に関連する新規の遺伝子を複数、本年度は単離することに成功したが、ゼブラフィッシュを用いて、既に遺伝子機能の阻害によって引き起こされる形態異常の解析を行っている。Tbx部は、Tbx蛋白の転写因子としての機能に直接結びつくもので、心臓の形成や、体軸の異常に大きな変化が認められていることは興味深い。心臓においては、心筋分化、心筋増殖、個々の心筋細胞の形態発達が、心臓の形態、特に心室中隔の形成に重要な役割を担っていることが明らかになり、1心房1心室の魚類から、2心房2心室のほ乳類まで、これまで困難であった多様な生物の心臓の進化を解き明かす、糸口をつかむことができた。このような知見は、今後の研究の主眼となるもので、その意義は極めて大きいと考えられる。本年度に単離された遺伝子は、大きな遺伝子ファミリーを形成しており、多様な組織で、多彩な時間特異的な発現を見せることを考えあわせると、その機能の重要性が理解できる。マウスのノックアウト実験、分子生物学的な手法を用いた詳細な解析を加えながら、新しいコンセプトに結びつく端緒となった。
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