研究課題/領域番号 |
16011217
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
黒柳 秀人 東京医科歯科大学, 大学院・疾患生命科学研究部, 講師 (30323702)
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研究分担者 |
福原 武志 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (20359673)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
2004年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | プレmRNA / 選択的スプライシング / 線虫 / 蛍光タンパク質 / 可視化技術 / 組織特異性 |
研究概要 |
プレmRNAの選択的スプライシングの制御機構は、主に試験管内および培養細胞への遺伝子導入実験により解析されてきたが、我々は、生体における選択的スプライシングの制御機構を明らかにするために、エクソンの選択的使用により異なる蛍光タンパク質が発現する遺伝子導入線虫を作製することとした。組織特異的選択的スプライシングが示唆されている遺伝子を基に、2つの相互排他的選択的エクソンにそれぞれ異なる蛍光タンパク質のcDNAを連結または挿入してさまざまな遺伝子のプロモーター制御下で発現させたところ、同じコンストラクトから組織ごとに異なる発現を示すことを確認した:すなわち、エクソンAのみを選択的に発現する組織、エクソンBのみを選択的に発現する組織、双方を発現する組織が存在した。さらに、これらの遺伝子導入線虫からRNAを抽出してRT-PCRおよびシーケンス解析により、実際にこの導入遺伝子から選択的スプライシングによって複数の成熟mRNAが産生されていることを確認した。これらの結果は、この遺伝子導入線虫が生体における組織特異的選択的スプライシングを可視化できていることを示している。さらに、この選択的スプライシングの組織特異的を制御するシスエレメントを同定するために、遺伝子コンストラクトに点変異や欠失を導入して同様に遺伝子導入線虫を作製した結果、エクソンの選択性に影響を与える複数の領域を同定した。一方、組織特異性を制御するトランスの因子を同定するために、組織特異的蛍光タンパク質発現が変化する突然変異体の単離を試みているが、ワームソーターを用いることで容易に変異体のスクリーニングが可能であることを確認しており、この選択的スプライシング可視化線虫を用いることにより、組織特異的選択的スプライシングを生体レベルで解析する道が拓かれた。
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