研究課題/領域番号 |
16011267
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
三瀬 名丹 独立行政法人理化学研究所, 動物変異動態解析技術開発チーム, 開発研究員 (00360644)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 始原生殖細胞 / 胚性幹細胞 / ゲノム再プログラム化 / マイクロアレイ解析 / X染色体不活性化・再活性化 / Xist RNA |
研究概要 |
始原生殖細胞(PGC)におけるゲノム再プログラム化に伴う遺伝子発現変化を調べるために、PGCで特異的に発現するOct4プロモータによりPGCでGFPを発現するTgマウスを用い、11、12、13日目の3ステージの胚から、PGCを回収、マイクロアレイ解析を行った。マイクロアレイの解析にはES細胞を比較の対象として用い、ES細胞を分化させることで得られたPGC様細胞や、雌雄のPGCから樹立された胚性生殖細胞(EG)細胞、さらに精原細胞由来の幹細胞であるGS細胞も用い、複数の幹細胞と、PGCの遺伝子発現レベルでの比較を行った。雄EG細胞は雄ES細胞と非常によく似た遺伝子発現プロファイルを示し、その由来となったPGCとは大きく違っていることが分かり、EG細胞の樹立の過程において大規模な遺伝子発現の変化が起きていることを明らかにした。一方、PGC様細胞はちょうどEG細胞と胚由来のPGCとの中間的な遺伝子発現を示し、ES細胞の状態から細胞分化によりPGCの形質に近い状態に変化していることが分かった。また、GS細胞はPGCに比較的似た遺伝子発現パターンを示した。マイクロアレイの結果を自己組織化マッピング(SOM)法によってクラスタリング解析を行い、それぞれの細胞を特徴づける遺伝子クラスタを同定出来た。 一方、X染色体不活性化および再活性化はタンパク質をコードしないXist RNAにより支配されており、配列特異的RNA結合タンパク質MS2を用いてXist RNAの可視化を目指している。X染色体再活性化は最も端的なゲノム再プログラム化の例であり、上のマイクロアレイ解析の結果とあわせることによりPGCでのゲノム再プログラム化を担う遺伝子群の同定ができる。これまでに、X染色体不活性化中心全長を含むBAC上のXist遺伝子にMS2認識配列を導入する改変に成功し、ノックインマウス作製の準備がととのった。
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