研究課題/領域番号 |
16012208
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山崎 力 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (60251245)
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研究分担者 |
今井 靖 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (20359631)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2004年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | 虚血性心疾患 / 高血圧 / 遺伝子多型 / データベース構築 / 遺伝子発現解析 / 治療反応性 |
研究概要 |
高血圧および狭心症・心筋梗塞に代表される虚血性心疾患は環境要因と遺伝子多型に基づく遺伝的素因の相互作用によりもたらされる。本研究では循環器疾患の遺伝素因を明らかにすることを目的とし、当院の循環器入院症例に関して網羅的臨床情報データベースを構築した。合意の得られた患者についてはさらに遺伝子多型解析を行い、臨床情報との対比検討を行った。また外科手術を行った症例については本人の合意のもと切除組織の残余を入手、血管病変における遺伝子発現について検討し、動脈硬化性病変の規定因子の同定をい、さらにその遺伝子についての多型についての検討を行った。 (1)血管リモデリングに関与することが知られるMMP1(matrix metalloproteinase 1)(1G/2G多型)、MMP3(5A/6A多型)の遺伝子多型ハプロタイプ(MMP1 1G-MMP3 5A)が心筋梗塞発症に関連することを明らかにした。 (2)日本人においてABCA1遺伝子多型Ile823MetがHDLコレステロール濃度を遺伝学的に規定することを明らかとした。 (3)インスリン感受性を規定するアディポネクチン遺伝子多型がマルチプルリスクファクターを介して冠動脈疾患発症に関連することを示した。 (4)動脈瘤組織において種々のMMPsが過剰発現し、血管組織の脆弱性を来すことが明らかとなった。MMPは動脈硬化病変や動脈瘤の鍵物質の一つであり、それらの遺伝子多型がそれらの疾患の発症に関連すると考えられる。 (5)冠動脈形成術後の再狭窄にMMP3,MMP9,p22phoxのそれぞれの遺伝子多型が関連することが示された。今後は予後(心血管イベシトなど)、薬剤反応性についての関連研究へ発展することが期待される。
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