研究概要 |
平成16年度は、(1)感受性遺伝子の存在領域の探索、(2)相関研究のための患者対照参加者唐の血液の収集、(3)既に相関が報告されている遺伝子群との相関の確認の3つを行った。 (1)家系を用いた連鎖解析:平成16年度に引き続き、西日本を中心に、家族集積性のある脳動脈瘤家系を地域の中核病院を中心に検索した。その結果17cent、19q13,Xp22の3領域を候補遺伝子の存在候補部位として見出した。 (2)相関研究のための患者対照参加者唐の血液の収集:MRAあるいは手術により脳動脈瘤の存在が確認されている参加者をケースとし、MRAで所見がなく40歳以上で家族歴がなく脳血管疾患の既往のない参加者をコントロールとした。ケース362名、コントロール332名の参加を得た。我々の参加者では、相加モデルを採用した場合、リスクハプロタイプのリスク比1.2とした場合、検出力は85%以上である。 (3)相関の検討:Elastin(7q11),NOS2A(17cent),APOE(19q13),ACE2(Xp22)および17centにおける遺伝子群のSNPsを用いて(2)で収集した集団で検討した。家系から1名を選び全エクソンの配列決定を行い、SNPsを見出し検討した。これらSNPsのうち我々の集団のハプロタイプの80%以上をカバーするようSNPsを選択し相関研究を行った。その結果、Elastin(7q11),MRIP(17cent),NOS2A(17cent),APOE(19q13),ACE2(Xp22)には有意な連鎖は見出されなかった。この一方、17centにおけるTNFRSF13Bでは、リスクを有するハプロタイプの外、ケースでエクソン3,4においてNonsense mutationsを見出した。その結果、TNFRSF13Bが感受性要因を高める可能性が示唆され,免疫系の関与が示唆された。
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